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職場の対人トラブルの増加

更新日:12月5日

職場の対人トラブル、いわゆる、ハラスメントが増加しています。令和4年度個別労働紛争解決制度の施行状況によれば、「いじめ・嫌がらせ」というハラスメントを示す項目が他の労働紛争よりも圧倒的に多く、さらに増え続けていることが分かります。


いじめ・嫌がらせの増加

職場のストレスの原因は人間関係の問題が多いです。パワハラ、セクハラ、同僚との衝突など、職場では人間関係の問題が何かと起きるものです。しかし、これが増加の一途をたどっているのはどうしてでしょうか。


私としては、その一因は人口構造の変化ではないかと思います。少子高齢化により、若い人の数が年々減っています。現在の人口構造を見ると、50代が最も多くなります。50代は管理職の世代ですね。一方、職場の若手とされる20-30代は少数派であり、今後も減少していきます。少数派になると、どうしても立場が弱くなります。


そもそも、年功序列の職場において、20-30代の方々は立場が弱いものです。それに加えて、同期の人数が少なくなり、自分たちより先輩の人たちの割合が多くなっている現状では、ますます立場が弱くなり、先輩や上司の意見に対抗することが難しくなります。たとえ、ハラスメントが起きなくても、立場が弱くなっている20-30代の心理的プレッシャーは強まっていると考えるのが妥当でしょう。


こんな中、休職する方の人数が徐々に増えています。会社の保険に入っている方は、休職している期間、傷病手当金という社会保障制度を利用することになります。この傷病手当金の支給件数が年々増加しているのです。そして、20-30代の世代では、休職する理由で最も多いものが精神疾患です。メンタルの問題を抱えて休職せざるを得ない人が多いのです。


若者世代の休職

精神疾患で休職する人の割合は、年齢が高い人ほど少なくなります。つまり、若者の方がストレスが多く、年配の方が精神的なストレスは少ないと考えられます(もちろん人によるものですが)。


少子高齢化の日本において、若者のプレッシャーが強まるという傾向は今後も続くものと考えられます。仕事を休むという選択に抵抗を感じる人も多いと思いますが、自分の心を守るためには、休職が必要になる場合があります。特に、職場で先輩や上司からのプレッシャーが強まっているなど、人間関係のストレスを抱える場合は、一度、職場から離れて休養をとることが大事です。個人差はありますが、1ヶ月ほど職場から離れていると、だいぶ落ち着いてくるものです。


当院では、メンタルの治療を行いながら休職するという選択肢について、相談に乗っています。職場で人間関係の問題を抱える方は、遠慮なくご相談ください。

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